台風のニュースや天気予報で登場する「降水量(雨量)」「風速」の目安などを解説しています。
天気予報で「この地域は1時間の降水量は50mm、最大瞬間風速60m/sです。」という言い方をよく聞きます。しかし、これを聞いてもどのくらいかイメージできないことが多いのではないかと思いましたので、降水量(雨量)と風速について、図解とともに解説したいと思います。
なお、本記事の一部画像は、気象庁提供の画像となります。気象庁のサイトには、雨量や風速レベルを解説した「雨と風(雨と風の階級表)(PDF:1.9MB)」という、わかりやすいリーフレットもあるので、PDFで持って置くことをおすすめします。本記事は「雨と風」をベースに作成しました。
ストックストックを使って、地震の対策として防災備蓄を検討されるお客様が多いですが、自然災害の防災対策としては、台風、洪水、高潮、暴風なども考えておく必要があるので、このような記事を作成しました。
もくじ
気象庁の「雨と風の階級表」によれば、1時間降雨量が20mm以上は「どしゃ降り」と書かれているので、20mmは「めっちゃ雨が降ってるよ」と感じると覚えておくと良さそうです。
30mmを超えると、「バケツをひっくり返したように降る」ということから、「外に出るのは控えたほうがいい」と思っておくと良さそうです。
普通の雨は傘をさしても、「おおよそは濡れない」ので、20mm以下だと覚えておくといいでしょう。
平均風速が15m/sあたりだと、「結構風が強いね」と感じる風速です。「傘がさせない風の強さ」で、樹木や電線が揺れはじめる速度です。
平均風速が20m/sあたりは、「風が強くて歩けない」という速度です。先ほど紹介した「雨と風」では「看板やトタン板が外れ始める」と書いています。安全を考えると平均風速が15m/s以上になったら、「外出しない」と決めたほうが良さそうです。
気象庁の台風の強さのページには、強風域と暴風域の定義が書いてあります。
『「大きさ」は強風域(風速15 m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲)の半径で、 「強さ」は最大風速で区分しています。さらに、風速25 m/s以上の風が吹いているか、吹く可能性がある範囲を暴風域と呼びます。』
なので、暴風域ではもはや外出はできないと理解すべきだと思います。
暴風体験もtenki.jpの本所防災館での動画がありましたので、こちらも参考資料にしておきます。
風速30m/s、雨量50mmという相当ハードな体験レポートですが、体験中は全くレポートはできない状況で、リポーターの方も「目の前が雨で真っ白になったので何も身動きがとれなくて、雨がおさまるまでじっとしてるしかなった」と言っていて、まさにそのような状況だということがよくわかる動画です。
レポーターの方は「この大雨の中で、外に出て避難所に向かうことは絶対に考えられない」と話をしたあとに、「ここまで雨が強まる前にちゃんと避難をしておかないと命に関わると実感した」と語っています。
地震と違って、台風などの風速や雨量などの情報は天気予報で知ることができるので、天気予報を見て高い数値を示しているときは、動ける間に避難をするべきだと言っています。
それでは、どのような数値のときに移動をすればよいかの参考になる目安の数値を見ていきましょう。
「雨と風」のレベル表より、外出を控えるべき雨量と風速の目安は図のようになります。
1時間雨量は30mm以上
平均風速は15m/s以上
を目安に考えておくと、天気予報やニュースの数値を見たときにイメージしやすくなるのではないかと思います。
もちろんそれ以下でも土砂崩れが発生していたり、危険な状況が近くにある場合は自身で判断し、避難をする行動を取る必要はありますので、あくまでも目安として考えてください。
ただ、注意したいのは、上記の数値はそれぞれ単独で発生した場合の数字だということです。
先ほど紹介したtenki.jpの暴風雨体験の動画では、最初に「1時間雨量30mm+平均風速10m/s」のバージョンを体験していて、レポーターは「この中、子連れで移動とかは絶対ムリですね」と語っているように、同時に発生すると年配の方や体力に自信の無い方は「1時間雨量30mm+平均風速10m/s」でも厳しい可能性があります。
なので、雨と風が同時に発生する場合、上記の数値「1時間雨量30mm以上+平均風速15m/s」より低めで考えて安全側を見たほうが妥当です。(2024/8/30日追記)
もう少し具体的に雨量の数値をイメージできるように、新幹線の大雨で運転を見合わせるルールを見てみましょう。
東海道新幹線が大雨で運転をやめる「4つの基準」という東洋経済のページがあったので、そちらの図を引用しました。
これによれば、1時間雨量は60mmを超えると東海道新幹線は運転見合わせをするとのことです。先程の降水量のレベルを見てみると、60mmというのは相当激しい雨であり、妥当な数値と思えます。
1時間雨量が50mmというのは相当激しい雨であることがイメージできたと思いますが、それが続くと左図のように、道路が冠水したり、地下道が冠水して危険な状況になります。
50mmというと、5cmだから「ほんの少し」のイメージを抱かれるかもしれませんが、とても激しい雨になるというイメージを持つことができると、ニュースや天気予報で台風の情報を聞いたときに、現状維持バイアスがかかりくくなると思います。
8/27日11時現在は、最大風速が45m/sと書かれています。上で紹介した風速のレベル表でチェックしてみると、30m/s以上は「猛烈な風」なので、相当強いことがわかります。
予報によると、本州の中心に来るのは、8/31日午前9時とのことで、その時の最大風速は30m/sなので、まだ「猛烈な風」のままです。
9/1日に東北に到達する予定で、そのときは最大風速が20m/sとなっており、「猛烈な風」から「非常に強い風」になって弱まると予測していることがわかります。
すでに雨量と風速のイメージが頭にある人にとっては、当たり前のコラムになってしまいましたが、日常生活であまり使わない数値なので、比較しながら見ていくとイメージが湧くと思いコラムを書いてみました。
記事の中の「降水量(雨量)のレベル」と「風速のレベル」の図は、イメージしやすいように「人への影響」の部分で説明しましたが、記事を書くのに参考にした気象庁の「雨と風(雨と風の階級表)(PDF:1.9MB)」は「建造物」や「車に乗ったとき」などの状況も説明しているので、台風が近づいている時期にチェックしてみるのをおすすめします。(鳥居)
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